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−レンジャー制度− デンマークのネイチャースクールでの指導は、多くの場合特別に研修を受けたレンジャーが行っている。 1980年代に、工業化が既に進んだデンマークでは、都市住民と自然との間に大きな隔たりができてしまった。そこで環境省では、住民に対して自然資源の重要さを広く普及啓発していくことの必要性から、1989年よりレンジャーの育成を始めたのである。 このレンジャー制度は資格制度ではなく、あくまでも質の高い環境教育を行うための技能を育成する研修制度であり、3年間で7週間コースを受けなければならない。 デンマークのレンジャーの目的は 1. 自然環境は守り、活用する必要があることを知らせる 2. 自然が野外活動の基盤であるのと同様に、貿易や産業の基盤となっていることを知らせる 3. 地方での明文化されたあるいは明文化されていないルールについての情報をあたえる 4. 地球環境問題を明らかにし持続可能なライフスタイルに向かうため、地域の環境の現状について解説する 5. 都市域において自然および都市の生活と環境との関連について情報を与えるなど(Andersen,1996)が挙げられている。 調査によると一年間に約50万人の成人が、レンジャーを通じて自然とふれあっている。デンマークの人口は約500万人であるので、大人だけで1割、子供を含めるとそれ以上の人々がレンジャー制度の指導を受けていると言える。この制度への申し込みは増加しており、今後さらに増やしていく計画である。 2) 地元の生態系とは異なる環境の中にあるネイチャースクール スウェーデンやデンマークのように、子供たちが自分たちの住む地域の生態系を学ぶことができる身近なネイチャースクールとは異なり、ノルウェーでは遠方の子供が泊まりがけで学習にくるネイチャースクールが設置されている。子供はネイチャースクールで、自分たちが日々生活している地域生態系とは異なった環境を経験することとなる。
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